旧・望月志乃の ひびわれたまご

大人の発達障害(ADHD)当事者のイラストレーター望月志乃が、生きづらさや”楽”について考えるブログ。

【はれのひ事件】人の気持ちが考えられない人の気持ちを考えてみた

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成人式の当日に、契約した業者が手配しホテルへ郵送されているはずの着物が届かず、多くの新成人が被害に遭い、大きなニュースになっていた。

被害総額は数千万円とも言われている。

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欲しいものを自分の稼いだお金で我慢せずに買いまくったらQOLと生命力が上がった話

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届いたあああああああああ可愛いいいいいいい。マリメッコ生地の革財布。 #marimekko #マリメッコ #北欧雑貨

 

どうも。志乃です。

母親になってからというもの、禁欲生活にすっかり慣れていました。

元々わたしはお酒も薬も飲まないタイプなので、母乳のためにそれらを禁止されても、わたしの場合はそこまで苦ではありませんでした。

ただ、買い物に行っても娘のものばかり見てしまったり、生活や娘の将来のために念のため我慢しておこうという心理が働き、自分に対してお金をかけるということが、どんどん減っていきました。

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母性による自己犠牲というと聞こえはいいですが「自由に、気楽に自己投資ができない」という状態が長引いたことにより、精神的なストレスが蓄積していたんだと思います。

 

「好きにしていいんだよ」は条件つきだ。

そうでなくても、幼い頃から「自分の気持ちや、欲を我慢する」ということが常態化していて、「好きにしていいんだよ」と言われても、人の顔色を伺ったり、遠慮して困ってしまうタイプ

そのせいかどうかは分かりませんが、手相占い師に「…あなたの手相から生命力が感じられない…!」と驚かれたり、「大丈夫!?生きてる?!」とガチめに心配されたり、生態反応が弱すぎるのかその類のセンサーが反応しにくかったり、8年も一緒に暮らしている旦那にいまだに「…幽霊かと思った!気配消さないで!!」と本気でビビられたりします。

生きる気力も薄い。

物欲も(同年代と比べて)そんなにない。

お腹がすいても平気。

寝なくても平気。

喉はあんまり乾かない。

欲しいっちゃ欲しいけど、別になくても困らないし、許されるならずっと寝て過ごしたい。

生に対する執着も、困ったことにそれほどない。

死にたいわけではないし、頑張って生きるけど。

ただし、 「怠惰」だけはべらぼうにある。

そんな感じでした。

 

活力の源を捨てたら生の執着も薄くなる

「自分の気持ち」とか「欲」というものは、生きる上で大きなエネルギー源で、欲しいものがあるから働こうと思うし、生命活動のために必要なものを得ようと思うからこそ、活力が湧くのだなと。

逆に、「全ての執着を捨てる」ということを境地とする宗教もあるわけで、わたしのこのケースは、うまいこと行ってんだか行ってないんだか分からないけれど、規則正しい生活、バランスの良い食事、質のよい睡眠を得るだけの生命エネルギーも失くしがちだったので、何とかしたいなあと思っていました。

 

それが、自分の稼いだお金(労働に対する報酬で自己効力感がアップ)で欲しいものを買い、自分のためにお金をかける(自己肯定感がアップする)ことで、自分の好きな自分のスタイルを実現でき、困っていたことも解消され、結果として、こんなに元気が出るとは。

かえって、お手軽にストレス発散ができ過ぎることに、恐怖すらおぼえます。衝動のまま、一気にタガが外れてしまいそうな気もしていて、ここらでブレーキの必要性も感じます…。

 

ああ、こわい。しあわせ過ぎて、こわい。

 

子ども時代の抑圧と反動 

欲しいものを、買って貰えなかった。

進路を、自由に選ばせて貰えなかった。

習い事も、全てなんとなくやっていた。

欲しくないものばかり、周りにあった。

自分のお金で好きなものを買ったら、嫌味を言われて、バカにされた。

 

そういう「欲しくないもの」に囲まれ、欲しいものを与えられなかったという歴史や、恨みのような思いが、現在の大人になった自分の心までも蝕んでいる。

とっくに大人になったし、いつだって好きなように生きられるはずなのに、「欲しいものは我慢する」「まず周りの顔色を伺って、許可が出たら手に入れる」「自分の欲のためにお金をかけるのは勿体ない」という思考の癖になってしまっていたことに気づいた。

自分の好きなものを買うたび、生活が豊かになっていき、気分も上がり、生きる活力になる。欲しいものが増え、それを手に入れようと労働意欲が湧く。

膝を抱えてうつむいて、自分の胸のうちばかり見ていたけど、顔を上げてみたら、素敵なものばかりで、手を伸ばしたら出来ることが増え、幸せな気分が待っていた。

 

ただ、ADHDの特性である「衝動性」や、双極性障害の「躁」状態の時に、身の破滅を招くほど買い物をしてしまうケースも知っていたので、その危険性を恐れるあまり、0か100かでしか考えられていなかったのもあります。

抑圧された反動で、とんでもないことをしてしまうのもよくある話で。

未来のことを心配するからこそ、貯金のことも考えるし、無茶なことはできないと思う。少しでも多く節約を頑張って、現在を犠牲にしてでも未来のために備え、少しでも子どもに良い環境を与えてやりたいという気持ちもある。おそらく私の母は、この気持ちが人一倍強かったのだと思う。それはそれで、愛情の形だ。

だが、母親が自分を犠牲にすることなく、好きなように生きることで、子どもも安心するということは、前回、前々回でお話しした通り。

衝動性のまま暴走することなく、コントロールを誤ることなく、ほどよいバランスで、自分のためだけでなく、結果的に家族のためになるような、そんなお金の使い方をしたいもんだ。

 

節約のために我慢してたけど買って劇的に幸せになったものリスト

「毒のない親」はいない?母親との関係に悩みながら母親になった娘たちの話

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前回、前々回の続きです。

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※3本立てとなっております。 

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過保護・過干渉に悩む子どもたちの叫び(ブログへのご感想まとめ)

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どうも。志乃です。

前回の記事に、たくさんのご感想をお寄せいただきまして、誠にありがとうございました。

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いただいたご感想は、どれも思わず共感してしまうものばかりで、嬉しく思っています。

それらを拾い集めて残しておくことは、同じように悩む仲間たちの力になると感じ、誠に勝手ながら、お寄せいただいたご感想の一部を、以下にまとめてご紹介させていただきます。

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毒親に優しくしたくて苦しい娘たちへ

年末年始の帰省で弱ってしまった方も多いのでは。

まずは、お疲れ様です。お互い、よく頑張りました。たくさん、自分へのごほうびを与えてください。お風呂にゆっくり浸かるのもいいし、おいしいものを食べるのもいい。たっぷり、自分を労ってあげましょうね。今年もよく頑張ったよね、私たち。

 

「親のことを悪く言うもんじゃないよ」

「お母さんも必死だったんだよ」

「許してあげなよ」

 

第三者はそう簡単に言うけれど、そんな単純な話ではない。

娘と自分の境界線があいまいで、悪気なく、いやむしろ善意で、娘の意思を尊重できない母親が存在する。

そういう母親を大切にしようと思うと、自分がどんどん削られてしまう。

 

「愛とは自己犠牲のことだ」という人がいる。

本当にそうだろうか。

アンパンマンのように、身を削らないと優しくできないんだろうか。

そんなことをよく考える。

 

口では「お母さんに、そんなつもりはない、好きに生きていいのよ。」と言うかもしれない。

でも、そうじゃないんだよね。

 

目の前で大切な人が「自分のために」不幸そうな顔をしているのに、自分だけ幸せになろうなんて思えるだろうか。

「自分のせいで」に変化するのは、当然の流れなんじゃないだろうか。

 

「あなたが私から離れて行ったせいで、私はとても悲しい。寂しい。」と猛アピールされて、気持ちよく外へ思いっきり羽ばたいていけるだろうか。

 

親の「寂しい」というエゴが、子どもの自立の足かせになる。

 

相手は手強く、こちらの罪悪感を巧みに利用する能力に長けている。

悪気なんてないのかもしれない。

自覚なんてないのかもしれない。

だからこそ、拒絶の言葉が意味をなさない。

 

「知るもんか、勝手にやってろ」と拒絶できたらいいのにね。

それで終わりだったらいいのにね。

優しくしたいと、ただ自分が勝手に思っているだけだ。

 

根っからの悪人なんて、そうそういない。

あなたの母親だって、良いところはあったし、いい思い出もあるし、恩だってあるでしょう。

優しい記憶が、優しいあなたを苦しめる。

 

お互いに幸せになって欲しいと願っているはずなのに、一緒にいると苦しいのは、望む愛、望む優しさが一致しないから。

自分に対して、ちっとも優しくない、自分の気持ちなんて、まるで分かっちゃいない、そんな母親に優しくしたいと思う気持ちと状況を、相手は理解できていない。

親の心子知らずとは言うけれど、子の心親知らずでもあり、こっちからもまた、一方通行なんだ。

 

どうしてだろうね。

本当に、どうしてなんだろうね。

それがたまに、悲しくて仕方がないよ。

 

「あなたがいないから、わたしは寂しい」というアピールで、愛情を表現しないで欲しい。

わたしがいなくても、あなたに幸せでいてほしい。

 

自分がいなくても、お母さんが笑っていると実感できるなら、もっと自由に生きられるのにね。

 

わたしを愛しているというのなら、「あなたのため」という自己犠牲も、それによる不幸アピールも、今すぐにやめて、心からの笑顔を見せてほしい。

こちらの優しさを利用しないでほしい。

罪悪感を刺激して、自分のそばに置こうとしないでほしい。

「お母さんはいいのよ、あなたのためだから」なんて綺麗事を並べるより、自分のために生きてほしい。

 

優しい娘であろうとすればするほど、母の愛が重くなる。

子離れできない、可哀想な母。

なぜ娘から拒絶されるのかも分かっていない、哀れな母。

めいっぱい愛情をかけているつもりで、呪いにしかなっていない、そのことを理解する能力もない。

自分なりに必死に子育てした結果がこれなら、同じ母親として同情する。

 

自分のことも、母のことも大事にしたいのに、両立ができなくて苦しんでいる、多くの仲間たちへ。

 

これは、「優しくしたい」からくる苦しみです。

あなたはきっと、とても優しい人。

愛とは、なんなんでしょうね。

 

あなたが母親に愛を求めても、どれだけ優しくしようとも、同じだけ戻ってくることはないかもしれない。

それが薄々わかっていても、それでも優しくしたいという気持ちを捨てられない、そんなあなたへ。

 

あなたは悪くない。

だから、自分を大切にしよう。

自分を大切にすることで、あなたを本当に大切だと思ってくれる人を安心させてあげよう。

その溢れる優しさを、自分に向けることで、きっと周りも幸せにすることができる。

 

あなたは悪くない。

 

過去は変えられない。

親もきっと、変えられない。

だからせめて、自分が笑顔でいられることをしよう。

あなたの笑顔は周りを明るくする。

 

あなたは、何も悪くない。

きっと、優し過ぎるだけなんだと思うよ。

 

おまけ。ツイートのまとめです。

その他、諸々。

過剰反応だ、被害妄想だ、そう言う人もいる。

 「良かれと思って親心でやってるんだから、あなたの受け取り方が悪い」、そう思う人もいるだろう。

実際、本人たちもそう言う。

ただ、想像してみてほしい。

断っても断っても重たく押し寄せてくる、ありがた迷惑の津波を。

「もう食べられない」と伝えているのに、「あなたのためを思って沢山作ったのに…」と無理やり食べさせられ続け、最後には吐いてしまうような、そんな状況を目にしても、まだそう思うのだろうか。

 

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わたしの防波堤

 

 

この苦しみを、誤解なく人に伝えることは、本当に難しい。

色んな人が、色んなことを言うけれど、自分の気持ちを大切にしよう。

たぶん、それでいいと思うんだ。

 

次の記事(こちらの記事は3本立てです)

 今ご覧いただいた記事へのご意見・ご感想を、以下の記事にまとめました!

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イジリがうまい人は気配り上手ってことを、イジられっぱなしの人間が書いてみる

Twitterで、漫画家の横槍メンゴさんが呟いた内容が、話題になっていました。

このツイートを見て、私なりに考えたことをまとめたいと思います。

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アイドルが「ファンの皆のおかげです」と言うのは、単なる営業のリップサービスだと思っていた

私は幼い頃、大人を常に冷めた目で見る、とっても可愛くない子どもだった。

なので、テレビで有名人がよく言う、「ファンの応援のおかげです♡」は、表面上のものでしかないんだろうなと思っていた。

アイドルが売れているのは、アイドル自身が努力した結果であったり、事務所やスタッフが苦労して創り上げた結果なのではないかと。

アスリートもそうだ。

校内マラソン大会などで「苦しい時、沿道からの声援を受けてパワーが出た」経験が、私にはまったくなかったし、苦しいモンは苦しく、正直なんの気休めにもならなかったので、「金メダルを獲れたのは、皆さんの応援のおかげです!」というコメントにも、本当にそんなことがあるんだろうかと、疑問を持っていた。

 

いやいや、あなたとスタッフが、頑張ったからでしょうと。

 

アイドルと違って、人気商売でもないはずなのに、多方面にリップサービスしなきゃいけないなんて大変だなー、お約束のコメントばっかりでつまんないなー、みたいな。

我ながら、嫌な子どもである。

 

でも、逆に自分が「応援される立場」になってみて、それらは誤解だったのかもしれないと思い始めた。芸能人でもない、たいしたことのない私が語るのもおこがましいかもしれないが、正直な気持ちを、ここに残しておく。

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天才と凡人のあいだ ~私が気分安定剤を飲みたくない理由~

天才と呼べるほど突起した能力もなく、凡人と呼べるほど平均的でもなく、

健常者と呼べるほど一般的でもなく、障害者と呼べるほど困難さを抱えてもいない。

 

アインシュタインや坂本龍馬が、発達障害を抱えていたという説がある。

いっそ能力が思いっきり尖っていれば、開き直って武器にもできるものを、中途半端さが一層、生きづらさを深めていく。

現実問題、私と同じようなタイプが多いのかもしれない。

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引きこもり主婦がプチプラでトレンドの着回しコーデを1冬ぶん考えてもらった結果(買ったもの11点)

今週のお題「今年買ってよかったもの」

志乃のダザイファッションイメージ画像

どうも。志乃です。

皆さんは、ファッションに詳しいですか。わたしは疎いです。

タイヤホイール系ファッションが今年のトレンド!

もしくはサタマガ(目を逸らしながら)

 

これまで、トレンドにあまり興味関心を持たず、その時その時で一目ぼれしたものを自分の感覚で買っていました。

さらに子どもを産んでからは、自分のファッションにお金をかけることに謎の心理的抵抗が生まれ、「自分の服はどうでもいい、娘のカワイイ服を買ってあげたい」と、子ども服ばかり買うように。

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30代のADHD持ちママが、子どもだった頃の話

現在は、乳幼児健診や、就学前健診などで、子どもの発達障害を早期発見し、療育施設やサポート機関へ誘導するシステムがあるが、30年前、私が子どもだった頃、今のようには充実していなかった。

概念すらなかった時代で、「障害」という言葉への偏見も今より強かった頃だと思う。

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【デザイナー・チビ乃】過去の作品集

先日は娘の作ったリカちゃんドレスに、たくさんの「いいね!」ありがとうございました。

服飾に興味を持った娘に、何を与えたらいいのかアドバイスを募ったところ、たくさんのご意見をいただき、早速、手芸店や100円均一ショップに買い物へ行ってきました。

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【育児絵日記】5歳娘が、自作品に♡1000いいねを貰った日

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5歳娘は、工作やデザインが大好きで、おしゃれも大好きな女の子。

ガムテープだけを使って、リカちゃん人形のドレスを作って遊んでいたので、インスタグラムとTwitterで作品を紹介したところ、驚くほどたくさんの「いいね」を頂きました。

「チビ乃の作ったドレス、190人もいいねって言ってるよ!」と言って画面を見せると、信じられないくらい素晴らしいものを見たような、困惑と感動の入り混じった表情をしていました。

「また作ろうね!」というと、なんだか照れたような、得意げなような、なんともうれしそうな顔。自信と創作意欲がみなぎっているようです。本当にありがとうございました…。

2017/12/1 9:00追記

この後、今朝見たら「いいね」が800に達していました…。
娘に話したところ「はっぴゃく…?www」ともう想像もつかないようでした。ありがとうございます。

 

正反対の旦那を見ていて自分に必要なことが分かった

 私と旦那は何かと正反対だ。

陰と陽、月と太陽、インドアとアウトドア、動と静、内省的と外交的、その他もろもろ。

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 そんな旦那が、転職した。

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