旧・望月志乃の ひびわれたまご

大人の発達障害(ADHD)当事者のイラストレーター望月志乃が、生きづらさや”楽”について考えるブログ。

正論に誰も異論はないが、正論で人は救えない。

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北海道の山中で行方不明になっていた7歳の男の子が、無事に保護されましたね。

ネット上では最悪の事態を想定した話題が多かっただけに、心からホッとしています。

本当に良かったですね。

 

この事件に関して書いた私の記事に、たくさんの反響をいただきました。

あまりの反響に、全てを追いきれていない状況ですが、可能な限り、すこしずつ拝見させていただいております。

ご意見をお寄せいただきまして、本当にありがとうございます。

shinoegg.hatenablog.com

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この数日、色々なことを考えました。
皆様のご意見を受けて感じた、今の素直な気持ちを、以下にまとめさせていただきます。

まったくの「他人事」ではなかった

わたしも子どもの頃、似たようなことをやった身。

親になった今、本当に置いていったりはしないけれど、子どもを懲らしめたり、困ったときの最終手段として、脅かしつけてしまうこともある。
感情的になりたくないのに、そんな母親にだけはなりたくないと思っていたのに、なってしまう自分。

子育ては、自己嫌悪の連続です。

 

多くの母親が「加害者」になってしまう恐怖を抱えている



講師が「どの親も必死である」と言っていたのが印象に残っています。

「だから許してやれ」という話ではないですし、虐待が正当化されはしません。

かと言って赤の他人の「私刑」が許されることにはならない。

その2つは前提として、ご覧いただければ幸いです。

 

子育ての「被害者」がたくさんいる


自分の子ども時代のトラウマを、語ってらっしゃる方が多かったです。
私も自分の親に苦しめられた人間のひとりとして、何度も複雑な気持ちになりました。

 

そして2日くらい、色々と考えまして。
私の書き方に問題があったのか、誤解も多くあるようでしたので、自分の素直な気持ちを書いておこうと思いました。

 

「正義感」の残酷さ

 

色んな意見がありましたが、たぶんそれらは皆、「正しい」んだろうなと。
「虐待は悪いこと」ですから、誰も間違ったことは言っていない。
「正しくないこと」を言っているとしたら「私」で、その自覚もある。

 

ごめんなさい。

確信犯ですし、謝るのも違うのではないかと思いましたが、それでもやっぱり、ごめんなさい。

思い出したくもないことを思い出されて、嫌な気持ちになった方も多くいらっしゃった模様。自分の正義感から懲らしめようとしたのは、私も同じ。

 

完璧な人間なんていないし、完璧な親なんていない。

 

悪いことをしてはいけません。
どんな理由があろうとも、正当化はされません。
常に正しくあることを目指しましょう。

異論なし。


山中に置き去りにしたのは、「やり過ぎ」です。虐待です。
あの親は間違ったことをしていた。 

異論なし。


危ないから、子どもを本当に置き去りにしてはいけません。
異論なし。

 

子ども側からしたら、たまったものじゃない。やめて欲しい。

知ってる。

 

だってああいうの、見てて不愉快なんだもん。迷惑だし。
ごめんね…

 

最初からやらなければいいじゃん。

そうだね。

 

産まなきゃいいのに。

それはないよ。

 

こいつはクズ親。

そうかもしれない。自分なりに、努力はしている。

 

その他、ご意見いろいろ。考え方も色々。

 



ヤンママだったら?近くに厳つい旦那がいたら?

ご本人ではないので分かりませんけれども、「育児協力のため」と主張するには、かなり勇気が必要な行為であることは間違いないと思います。


突然抱き上げたことで、通報されても「親が悪い」と主張するのでしょうか。おまわりさんもそれを聞いて、「うん、そうだね、ご立派です!!!」とはならないのではないでしょうか。

 

で。

「だから他人は、声なんかかけずに放っておけ!」って話でもないんですよ。
ネタだろうが何だろうが、「関わり方」に問題が大いにあるのに、実情を知らない多くの方々にアレが「本当にいいこと」だと思われても困るという話なんです。


どんな理由があろうとも、虐待はしてはいけないことで、避けなければならない。

親に寄り添うことよりも、まず、子どもの保護が最優先されるべきで、

過ちを犯した場合、行いを改め、罪を償わなければならない。

 

 

子育て中は「理想と現実のギャップ」に苦しむ

理想と現実のギャップに悩み、「自分は母親失格だ」と悩んだことも、一度や二度ではありません。

妊娠した時、私は「自分の親を反面教師にするんだ」と意気込んでいましたけど、いざ産んでみると、なかなか理想通りにはいかない現実がありました。

理想を追い求めるうちに、どんどん自分自身を追いつめ、カウンセリングに通っていたこともあります。

そして、色んなお母さんの話を聞くうちに、同じように悩んでいる方の多さを知りました。

 


「ありのままの他人(子ども)を認めることが、ありのままの自分を認めることにつながる」。

 

虐待防止プログラムや、その他の子育て講座でも、そのことを学びました。
それを目標に、これまで様々な記事を書いてきましたが、本当に難しいものだなと身を持って実感しています。

 

この件にかぎらず、他人の失敗に厳しく、毎日のようにどこかでネットリンチを見かける昨今。

他人に完璧さや正しさを求めると同時に、自分の失敗も許されない状況

他人に寛容さを求めるとき、自分が不寛容になってしまう矛盾

 

私も例外ではありません。

 

今後何か記事を書くとしたら、誰かをブン殴ることに使うのではなく、誰もが優しい気持ちになれるようなものを目指したいなと思いました。


様々なご意見をいただき、自分の至らなさについて、考えさせられました。
この度は本当に、ありがとうございました。

 

 

最後になりましたが、私の記事により不快な思いをされた全ての方へ、改めてお詫びを申し上げるとともに、今回話題になった少年と親御さんが、それぞれ一日も早く、心穏やかに過ごせることを、心より願っています。

 

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