旧・望月志乃の ひびわれたまご

大人の発達障害(ADHD)当事者のイラストレーター望月志乃が、生きづらさや”楽”について考えるブログ。

子どもを産みたくないのは、「誰かのせい」なのか?

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話題になっていた、こちらのエントリーについて、同じく「産むか産まぬか決まらぬ女」の一人として思うことがあったので、書いておきたいと思います。

私には3歳の一人娘がおりまして、産んだことに関して全く後悔はございませんが、第二子を産むか産まないのか、なかなか決心がつかず、悩んでいる次第です。

過去、3~4人産んでらっしゃる方々に、「子どもを産んで育てる覚悟」について質問したものをまとめたこともあります。

 

togetter.com

で、今回話題になっていた冒頭の記事、拝見しました。

誤解を恐れずに、私なりに要約をさせていただきますと、「子どもを産む決心がつかない理由(主に外的要因)の話」と、「産まないことによる世間からの風当たりと、それによる疎外感」に関するお話だったように思います。

出産はある意味、ギャンブル要素が強いですから、理性的になればなるほど、将来のリスクを避けたくなり、深く考えれば考えるほど、尻込みするんですよね。理屈ではない部分、「本能」だとか「感情」が、どうしても必要になってくる。

ただでさえ、不安がいっぱいの現代社会で、自分のことすらままならないのに、自分以外のいのちの責任なんて、持てるのだろうか。堅実家で、責任感が強い方ほど、そんなふうに思ってしまうのではないでしょうか。

 

ただ、気になったのが、こちらの方、「子どもを産んだら、悲劇が起こるに違いない」という、ネガティブな思い込みが強すぎるのではないかと。

先にも書いたように出産は「ギャンブル要素が強い」とは思いますが、起こるかどうかも分からない、ネガティブな面ばかりに目を向け、それが起こることが決定事項であるかのように決めつけているのが、少し気になりました。それだけ、お母様から受けたマインドコントロールが強力ということなんでしょうか。

 

当たり前ですけども、「頭で考えたことが必ず起きる」わけではありません。

子どもが悲惨な事件に巻き込まれる可能性もなくはないですが、そうならないように努力することもできます。「大変な時代」なのは今に始まったことではなく、例えば戦時中はもっと悲惨だったはずです。

 

子どもを産むのを躊躇してしまう理由は、なんでしょうか?

「母親からのマインドコントロールのせい」?

「自然と産む気になると聞いて待っていたのに、何も湧かなかったせい」?

「理解してくれない世間のせい」?

「理性に働きかけてくれない国(政治家)のせい」?

 

それも大きな問題としてあるんでしょうが、

冒頭の記事を読んで、私が感じたのは、失礼ながら「主体性のなさ」でした。

(あくまで印象です)

 

それは、私も例外ではないのかもしれないと気づかされました。

そもそも私が娘を産もうと思えた切欠は、東日本大震災でした。

私の母と祖母が、特に津波被害の大きかった南三陸の出身で、私のルーツとも言える土地に住んでいた多くの方々が命を落としている現実を見て、「私の遺伝子を残すことはとても意義があることなのではないか」と思ったからです。

非常時でしたから、「本能」が強く働いたのだと思います。「自分のため」と思ったら、たぶん決心がついていなかったと思います。

 

世間様がどう言おうが、社会がどうだろうが、自分は何をどうしたいのか。

それを知るには自分の本心を探るしか方法はないのですが、意識を自分ではなく外に向けてしまうと、いくらでも妄想が膨らみ「やらない理由」が見つかってしまう。

出産・育児が怖くない人なんて、いるんでしょうか。完璧に整った環境で、何の不安もなく、安全に育てていける人なんて、いるんでしょうか。

 

私が第二子妊娠を躊躇う理由は、

自信がないからです。

覚悟がないからです。

自由が欲しいからです。

誰のせいでもありません。

私が、気乗りしないからです。

 

産まないことによって「一人っ子で可哀想」と言われることもあるかもしれませんし、「次の子は?」と今も聞かれたりもしますが、私にとっては(イヤはイヤですが)結構どうでもいいことだったりします。

 

 

私もまだ迷っています。

育児の素晴らしさや、楽しさ、そして、「なんとかなる」ということも知っているから。

「女とはこうあるべき」という風潮に、理不尽さを感じたり、腹が立つこともしょっちゅうですが、そんなこと言ってても、今すぐ世界は変わらないし、タイムリミットはあるしで、どうにかしないといけない。自分の責任で、自分で決めて、選択に責任を持つしかないのですよね。

社会の問題だけでもないし、自分の問題だけでもない。

どの道を選ぶにしても、きっと覚悟が必要なんでしょう。

 

後悔のない選択とは。後悔してもいい選択とは?

 

そしてそうやって選んだ道を、価値観を押し付け合わず、尊重しあう世の中になって欲しいなあと、私も願っています。

私もまだまだ悩みそうです。

 

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